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渡部 陽子; 木名瀬 栄; 斎藤 公明
KEK Proceedings 2006-4, p.81 - 87, 2006/11
体内に摂取あるいは投与された放射性核種は、尿などに排泄されるため、尿が一定時間貯留される膀胱の線量評価は、放射線防護や放射線診断の観点から重要である。特に放射線診断に用いられる放射性医薬品は、膀胱の線量を最小限にするよう開発される必要があるため、その線量評価法が極めて重要となる。内部被ばくによる線量評価では、一般に比吸収割合(SAF)が用いられている。米国核医学会内部被ばく線量委員会や国際放射線防護委員会は、膀胱内容物に均一に分布した放射性核種から放出される放射線についての膀胱SAFを、光子においてはモンテカルロ計算により、電子においては膀胱壁による二分の一吸収仮定に基づく簡易計算により整備している。より信頼性の高い線量評価を行うには、放射性感受性の高い細胞を考慮すべきであるが、従前の線量評価法では膀胱壁中の放射線感受性の高い細胞である基底細胞については直接考慮されていない。本研究では、信頼性の高い線量評価を行うため基底細胞を考慮した膀胱モデルを開発し、光子及び電子に対する基底細胞などのSAFをモンテカルロ計算により求めた。また、評価したSAFを用いて、9種の放射性核種についてのS値を算出した。
津田 啓介; 木名瀬 栄; 福士 政広*; 斎藤 公明
KEK Proceedings 2006-4, p.88 - 93, 2006/11
本研究ではF-FDGを用いたPET検査に着目し、実測及びモンテカルロシミュレーションを用いた信頼性の高い臓器線量評価法の開発に着手した。まず、PET検査の主流である脳PET検査に着目し、蛍光ガラス線量計(Photo luminescence dosimetry: PLD)によりF-FDGを用いたPET検査における脳表面の吸収線量(頭部眉間位置)を実測評価した。次に、シミュレーション計算により、頭部眉間位置PLDの吸収線量と脳内放射能の関係を調べるとともに、脳の吸収線量と脳内放射能の関係を調べた。その結果、頭部眉間位置に配置したPLDの吸収線量は、F-FDG静脈投与後、時間経過に伴い増加することが確認できた。また、F-FDGの体内動態を考慮すると、シミュレーション計算によるPLDの吸収線量は、実測値と一致することがわかった。これにより、本手法によるPLD吸収線量の計算評価が妥当であることを確認した。本研究により、陽電子線を考慮した脳の吸収線量をPLDの読み値から簡易的に推定する回帰式を作成し、信頼性の高い線量評価法を考案した。